靱帯の働き
靱帯の働きは、関節が異常な動きをしないように固定している鎖のようなもの。
だから、異常な動きをしようとしたときに、靱帯を痛めるのです。
犬小屋につながれた犬がいます。
犬につながれた鎖は3mとしましょう。
だだっ広いところに犬小屋があれば、犬は半径3mの範囲で動けますよね。
ここで言う鎖が靱帯。
犬は骨みたいなもの、犬小屋はもう一つの骨。
犬がもし異常な力で4mのところまで動けるようになってしまったら、鎖は4mまで伸びてしまってますよね。
3mまでしか行かないはずが、4m動けてしまうのは異常です。
異常な可動域が出ていたら、靱帯に異常があるという事。
で、一度伸びてしまった靱帯は戻りませんので、もう4mは動くものと思っていないといけない。
鎖が伸びていない状態、3mの鎖の時に話を戻します。
犬小屋から4mの距離なら、犬に噛みつかれることはないですよね。
3mで止まってくれるのだから。
犬小屋から、2mの距離まで近づくことが出来たら、犬に噛みつかれる可能性があります。
犬小屋から2mの位置で、犬に噛みつかれました。
鎖は何か問題があるのでしょうか?
鎖は3mの長さなのだから、犬小屋から2mの位置で犬にかまれるのは、鎖には問題がないのです。
手首の可動域の範囲内で、手首の痛みが出るのは靱帯は関係ないのです。
手首を曲げると痛い、ひねると痛い、手をついて体重を掛けると痛い。
この時の手首は、異常な可動域になっているのでしょうか?
正常な可動域ではないでしょうか?
痛める前は普通にやっていた動作ですよね。
この話が理解できると、靱帯はえん罪だというのがイメージできると思います。
骨が長いとか言われても、痛める前も何十年とその長さで過ごして来てますよね。
痛めたからと言って、急にその骨のせいになるのはおかしいんです。
上記の絵の場合、赤い線が靱帯です。
右側の靱帯は短いので、左の矢印のように関節が動こうとしても、大きくは動けません。
左の靱帯は長いので、右の矢印のように関節が動く場合、大きく動きます。
これ以上動かないように、と、動く範囲を制限するのが靱帯の働きです。
正常な可動域では、靱帯が切れているとか、伸びているとか分からないはずです。
痛みがなくなって、可動域も問題なくなって、靱帯の手術が必要になると思いますか?
必要だと思う方は、しっかり手外科の先生に相談されると良いと思います。
必要ないんじゃないかな?と思う方は、手術に踏み切る前に、ご相談いただけたらと思います。