効果にこだわると…
ここ数日涼しくなりましたね。
今年はコロナの影響で花火大会とか祭りとか軒並み潰れたので、夏が終わった感もあまりありませんね。
イベントのほとんどが無くなったので、失われた一年間のような感じがします。
私が開業した年を思い出すのが、わりと容易くなりました。
ここ数日ご機嫌でお仕事が出来ています。
施術に来た皆さん、効果がしっかり出ているからです。
先月の初めの頃は、施術の効果が出ないとか、あいまいという方が続いていました。
一か月に1人か2人いるかどうかくらいの人が、まとめて2・3人来たようなものでした。
ほとんどの人に効果出るのに、なぜにこうも続くんだろう、と落ち込んでいました。
施術をしてその場で激変するというのは、当たり前じゃないはず。
だけど、自分はそこにチャレンジしているから、効果が出ないのは非常事態なのです。
先日整体仲間と飲んでるときに、その手の話になりました。
「明らかな効果が出なかったとき、それを相手に伝えるのは良いことかどうか。」
普通の整体は、明らかな激変を一回で出すことにこだわらないから、ちょっといい感じになればそれで良し。
元々ある程度、メンテナンスとして使ってもらうということが目的なので、激変するかどうかは大きな問題ではないのです。
効果が無かったとしても、続けることで効果が出てくることもあるから、そんな、一回でバッサリ切るようなことをしなくてもいいのでは?
というアドバイスでした。
確かに、一回ではあいまいな変化の場合も、続けることで良くなることもある。
どこに行ったらいいのか、苦しんでる人に、
「あなたには効果が出ていません」
と伝えるのは、見捨てられた感じがするんじゃないか?と言うことでした。
そういう見方も確かに出来る。
でも、効果があいまいな人には、あいまいだということを伝えないのはダメな気がするのです。
一昔前の、末期がんの患者さんに、病気を告げるかどうか?で、家族の意思を尊重して、本人には伝えないようなものです。
もう長くはない、と本人もうすうす感じているのに、
「元気になれるから、頑張ろう!」
って声をかけ続ける。
元気になれないなら、元気が残っているうちに、会いたい人もいたことだろう。
整体を利用する症状も、ケガと不調は違う。
ケガは適切に対処すると、きちんと体もそれに反応してくれる。
だけど、肉体には問題がなく、ライフスタイルからの不調の場合、症状が緩和されたとしても、環境などの変化がないと変わらない。
そこで整体が、心のよりどころとして活躍しているのも確かなんです。
どこに行っても良くならない。
だけど、一時的でも、あそこに行けば楽になれる。
そういう誰かに頼りたいことだってある。
物理的に対処する場合は、理路整然と向き合うことになる。
こうすればこうなる、だからそれじゃダメ、もっとこう、こういう時はこれでいいけど、これこれの時にはこうしないといけない。
みたいに、理屈っぽく対応が必要になる。
でも、そういう痛みじゃない場合は、
お仕事大変ですよね~、頑張れないときもありますよね~、腹も立ちますよね~。
頑張らなくていいですからね、○○さんは何も悪くない。
と言う感じで、相手を否定しないのがとても大事になる。
たとえ、その人が間違っていても、正そうとしない。
そういうのが体の治癒力を高めてくれたりする。
こんな本もあるのです。
身体は治し方を知っているから、本人の感情気持ちをありのままに受け取るだけで、気持ちがすっきりして本人自ら治る方法に気づいていく。
整体はカウンセリングではないけど、そういう要素もあって、長い間メンテナンスで通ってくれる人は、会話を楽しみに来ていたりするのです。
アプローチの違う痛みだから、施術で良くしていこう!と言うモードを解く必要があるのです。
施術で痛みを良くするのではなく、施術で力を抜かせてあげようというものになるのです。
効果が出なくても、違うアプローチをしていけば、いつか良くなる。
どう伝えたら、相手を傷つけずに伝えられるのだろう。