風邪の効用
前回のブログで、紹介したと思っていた本を紹介していなかったので、今さらながら紹介します。
野口晴哉(のぐちはるちか)さんは、野口整体の創始者です。
伝説の整体師として、知る人ぞ知る大先生です。
私は、いろいろ勉強しているうちに目にしただけで、野口整体をやっているものではありません。
ただ、本当にすごい先生だったんだろうなと、書籍などで勉強させていただいています。
風邪は治すべきものではなく、経過するものである。
これは今の現代医学では絶対に言わない考え方です。
風邪は悪いものではなく、健康になるためにあるのです。
疲れがたまったり、身体の悪いものがたまったり、外から悪いものが入ってきたりしたときに、健康になるために風邪になるのです。
熱にしても、咳にしても、薬を飲んで早くなくそうとする医学とは全く違う考えです。
適度に風邪をひいている人の方が案外長生きだったりするのです。
病気になっても、何もしなくていいという考え方。
西洋医学は、病気の人に何かを施すことで利益を得ているため、何もしなくていいとは絶対言わない。
身体は良いように調整してくれているのだから、余計なことはしないほうがいいという考え方を、教えてくれるのです。
風邪をひく心理とか、病気になりたい欲求とか、不平不満と風邪とか、早く治るのがいいのではないとか。
興味をそそられる項目が沢山ありました。
そして、それらの一つ一つがなるほどなぁと。
人の病気って複雑な心理が関わっていることも、こういう本には書かれていたりします。
「あなたの病気は大したことない。」
これを言われて喜ぶ人もいれば、憤慨する人もいる。
治りたいという心理と、心配されたい大事にされたいという心理があるからだ。
だから、勇気づけるつもりで、
「大したことないよ、早く治るよ。」
というと、変に長引いたりすることもあるのです。
これが風邪だけではなく、体調不良やケガでも起こりえるのです。
だから、腰痛の人に、
「動いてたら早く良くなるよ」
と言っても、
「こんなに痛いのに軽く見られた!」
みたいに憤慨されたりするのです。
体調不良に寄り添うということも必要だけど、あまり下手に寄り添うと味を占めてしまうこともある。
病気になって、周りの人が優しくしてくれたりすると、深層心理に
「病気になればみんなが優しくしてくれる」
と刻まれたりするのです。
でも、最初は優しくしてくれても、何度も繰り返したり、もっともっとと要求したりしていると、周りの人もしんどくなって、以前ほどやさしくしてもらえなくなったりする。
「自分は他人から大事にされないんだ」
と思考してしまうとその後の人生が苦しいものとなる。
他人から指摘されても、素直に聞けるわけもない。
だから、自分で気付くしかないのです。
風邪の効用という本は、整体のことも少し触れているので、よく分からない部分もあるかもしれない。
でも、分かりやすく書かれてはいるので、興味のある人は読んでみてほしい。
健康に対する哲学を、もう少し学ばないと、医学の世界から押し付けられる不安にやられてしまうのです。
医学というのは、巨大な産業になってしまった。
病気がないと困る産業です。
薬の為に病気が作られたり、ワクチンを定期的に接種させるために恐怖が植え付けられるのです。
健康に対する信念が作られたら、そんな詭弁にのせられることはないのです。
他人から病気がうつされるんじゃない。
必要あって病気を取り入れるだけです。