もしも9割引きのフランス料理があったなら
9割引きってすごいですよね。
5000円のフランス料理が500円で食べられる。
この例えは、高齢者の医療を例えた話です。
医師であり医療ジャーナリストの森田洋之先生の発信です。
やっぱり日本の医療は「儲けすぎ」である…現役医師が「医療はもっと身を切る改革に挑むべき」というわけ
の記事で3ページ目で上記のような例えが出てきます。
診療報酬を引き下げるということが議論されていますが、そんなことをやってもあまり意味がないと。
診療報酬を引き下げても、その分来る回数を増やせば収益はそれほど減らないからです。
フランス料理であれば、食べるか食べないかはお客さんが決めることだし、頻度もお客さんが決めることですよね。
でも、医療の場合、お客さんが来る頻度を医療機関の方である程度決めることが出来てしまう。
検査をして何かの数値がおかしいとか言えば、経過観察と言って、何度も来てもらうことが可能になる。
追加の検査とか治療を「いりません」と断る患者さんはほぼいないでしょうからね。
フランス料理が9割引きで食べられて、週に何回食べるかも、フランス料理店が決めることが出来る。
そういうたとえ話をされると、
「そんなのおかしい!」
と思うのに、病院で医師を前にすると、そのような批判は浮かばなくなってしまう。
しかも9割引きの残りの金額は国からあとから振り込まれるのです。
単価を下げたとしても、その分頻度を増やせば、売り上げを確保することが出来てしまいます。
医療の仕組みの問題は、国民の共通の課題として、みんなが問題意識を持たないといけないのです。
ビジネスのために医療をやられてしまうと、国民の健康を守ることが出来ないのです。