人生を変える幸せの腰痛学校
今日は久しぶりの読書感想文です。
ブログのタイトルが「人生を変える幸せの腰痛学校」ですが、読んだ本のタイトルそのままです。
なんだか意味がよく分からないという人が多いでしょうね。
人生を変えるとか幸せとか、スピリチュアルの世界のようだし、腰痛学校ってなんぞやと。
この本はいままでの腰痛本と全く違います。
小説になっているので文章がスイスイ入ってきます。
著者の伊藤かよこさんの処女作ですが、腰痛のための本ということを感じさせない表現力があります。
楽しく読めて、それでいて大事なことは響いてきます。
物語の主人公はなんと!腰痛で悩む三十路の女性(驚くところではない)
紆余曲折あって、腰痛改善プログラムというものを試すことになった。
そしてプログラム最初の日先生から言われたことは、
「とても言いにくいんですが、みなさんにあえてお願いします。腰痛を治したいとは思わないでください。」
…は?ってなるところからスタートするのです。
腰痛の研究は今の腰痛の常識とは異なった方向に進んでいます。
世界で一番進んでいる(効果が実証されている)腰痛の治療法、認知行動療法を元に書かれています。
腰痛を克服するうえで大事なことは、
①腰痛について正しく認識すること
②適度な運動をすること
この二点です。
①は正しいことを知るというよりも、まずは間違っていることを知ることの方がポイントかもしれませんね。
○○が腰に悪いと思い込んでいると、その思い込みの力が働いて腰も悪くなります。
私もそうではないですよと発信していますが、私の発信よりも○○が腰に悪い!という情報が多すぎて、なかなか浸透していっている手ごたえはありません。
この本は私の汗だくつゆだくの必死で言葉足らずな発言と違って、さらりと大事な要点を伝えてくれます。
しかも分かりやすく。(くやしいほどに)
そして、多くの腰痛患者さんが思い描くであろう疑問もきちんと解決してくれます。
②に関しては分かってはいても難しいこともあると思います。
でも、初めから特別なことなんてしなくてもいいですからね。
基本的にはやりたいことをやりましょうですし。
タイトルに人生が変わるとか、幸せのとか入っていますけど、決して大げさではないです。
人生を変えるだけの力はこの本にも宿っています。
そもそも人生を変える力は皆さんが持っているのですが、使い方を知らなかったりするだけです。
使い方を教わっても使わない人もいるでしょうけども。使う勇気がない人も…。
でも、腰痛で苦しむ人生なんて、好きこのんで選ばないですよね。
そして、この本は腰痛について書かれていますが、もっと大きな可能性も秘めた本だと思います。
腰痛は自分で治すもの。
腰痛は(も?)治してもらうものではないということです。
腰痛に対する私のような整体師は、助言だったり、勇気づけだったり、施術で心と体の余裕を作るのが仕事だと思います。
話を聞くというカウンセリング要素もあるし、好きなようにしゃべってすっきりするところだったりです。
(手首の症状では私の施術を受けなきゃダメだよと言っていますが(笑))
とにかく腰痛に悩む方には文句なしにおすすめ出来る本です。
参考文献にされている本が、私の読んできた本と共通しているところが沢山あるので、至る所に共感できました。
そして、あまり他の感想文で触れられていないけれど、挿絵が味があって良いです(^_^)
なんかさりげなく挿絵があるんだけど、クスっとくるやつです。
ちょっと私の学生時代の絵のテイストと同じです。