信じる者は救われる?信じる者はバカを見る?
先日整体師仲間の先生からお勧めされていた本を読み終わりました。
予想どおりに不合理
この本450ページほどもあって、なかなか読むのが大変でした。。
でも興味深いという意味の面白さがありました。
行動経済学の研究者が書いたもので、人がどんな行動を選択するのか研究しているのです。
みんな自分は合理的に物事を決めていると思っているけど、ぜんぜん合理的じゃないよ!ということを解説しています。
基本的には難しい本なのでお勧めというわけではありません。
勉強になったし、どうなんだろうと思って記事にします。
316ページからの内容にプラセボ手術(プラシーボ)のことが書かれています。
ひとつは狭心症(胸の痛み)にたいして、内胸動脈結索手術をおこなうのと、
手術したように見せかけて実は、胸を開いてすぐ閉じるという傷を付けただけの手術。
その両者でどれだけの違いが出るかを比べてみたそうです。
その結果、どちらもすぐに胸の痛みが和らいだそうです。
そして3ヶ月ほどしたら、また痛くなってきたそうです。
また他にも膝の痛みの手術も同じように実験してみた整形外科医もいるそうです。
そして、これもまた、偽物の手術と本当の関節鏡手術も同じような成績だったそうです。
つまり、手術で治ると信じていれば、手術したふりでも治るということが示されたのです。
逆に言えば手術が効果を生んでいたのではなく、治ると信じるための儀式に過ぎなかったと。
私はこれらの話はすでに知っていたので何も驚くことはなかったのですが、続きがあります。
343ページから書かれているのは、「わたしのプラセボを奪わないでくれ」というものでした。
その人が効くと信じて飲んでいたサプリメントが、あるとき嘘の効能が書かれているというニュースを見たそうです。
書かれている効能は真実とは異なるということで、消費者に示談金を支払うというものだったのです。
それまではそのサプリが、お守りのようになっていたのに、それ以来ただのビタミン剤になってしまったと。
私はそれを見たとき真実を伝えるのが正義と思っていたけど、
信じている人からそれを奪うのも罪なのだと気づかされたのです。
私も過去効果を信じて購入して、全くのでたらめで損をしたということが多々あります。
なんなら占いの結果お祓いをしたこともあります。
そういう信じる者がバカを見るという経験をしたことで、そうした嘘を憎んでいました。
いや、今でも憎んでいます、ですね。
だから本当のことを知らせるのが正義とばかりに頑張っていました。
でも、この本の内容を見ると、信じている間はその効果を感じられるのだから、
それを暴くのはいいこととは限らないということですよね。
これって、皆さんどう思いますか?
効果があるように信じていれば、効果が一時的には表れる。
それを嘘だと言うことは良くないことなのでしょうか?
もちろんこの問題は、今自分が真実だと思っていることが間違いである可能性もあるのです。
でもなんだかなぁ。
だまされている人はそのままにしておくべきなのか?