野球選手のTFCC損傷
タイトルでTFCC損傷と表現しているものの、私は手首の小指側の痛みはTFCC損傷が原因ではないと思っています。
手首の小指側の痛みを訴える人に施術をして、私のトリガーポイントセラピーが効果を発揮しないケースが一割にも満たないからです。
TFCC損傷と私が呼ぶのは手首小指側の痛みを表現する名前として使いやすいからです。
今回は野球をしている人の手首小指側の痛み(以下TFCC損傷)を説明していきます。
まず一般的に言われている原因、加齢や使いすぎ。
これに関しては私は否定しておきます。
沢山使って筋肉が固くなっているということが多少は関連もあるかもしれませんが、使いすぎは直接の原因ではないと思っています。
実際は、急激な筋肉の短縮動作と、伸張が原因だと思います。
筋肉を思いっきり縮めすぎた場合と、急に伸ばされた場合です。
野球選手で手首を痛める原因として多いのはバッティングとスライディングです。
バッティングは内角高めとかが一番危険だと思います。
ボールに合わせて体を動かせて(逃がせて)いるといいのですが、思ったよりも体に近くなった球を、振ってしまったから無理に当てに行くなどすると、手首が詰まりすぎるのです。
関節の動きとしてそれ以上動かないのに、もっと縮もうとして筋肉に硬結が出来てしまうのです。
硬結というのはトリガーポイントのことです。
イメージ的には筋肉の中に固いこぶのようなものが出来るという感じですね。
それがきっかけになってトリガーポイントが形成されると、それが解消されないままになっていわゆるTFCC損傷と言われる症状になってしまうのです。
腕の筋肉にトリガーポイントが出来るのですが、そのトリガーポイントが手首に痛みを飛ばすのです。
腕にも違和感が出る場合もあるのですが、ほとんどの場合、腕にはあまり何も感じず、手首のみ神経をさすような痛みを感じます。
もしくはヒリヒリと腫れているような重い鈍い痛みですね。
そして、もう一つがスライディングですね。
手のつき方が悪いと手首が反らされ過ぎます。
単純に過剰に手首が反ることで筋肉が合わせて収縮しようとして勢い余って硬結が出来てしまうということですね。
大体の野球選手の野球が原因のTFCC損傷は上記二種類です。
他にも野手同士がフライを取るときに接触したとか、盗塁などで接触したなどのぶつかり系でも起こります。
あとはボールをキャッチする際手首をひねって無理に取ったとか、無理しているところにイレギュラーバウンドをしてボールがグローブに弾かれて強くねじれすぎたときなども発生要因となります。
あと、バッティングの際の空振りなんかもやらかすみたいですね。。。
いずれにせよ一瞬の動作によってこの症状は作られます。
私に言わせれば、なるときはなる。
ある種の事故のようなものです。
使い方が悪いとかそういう次元ではなく、ギリギリの球を無理に打ちにいった結果だったりするのではないかと。
ギリギリを攻めていれば事故は起こるのだと思います。
いずれにせよ痛めた瞬間の動作がどういうものかは、あまりその後のケアには関係ありません。
その動作の時にどこが動くかなんて把握のしようもありません。
ただ、どんな動きでどこが痛むのか。
これさえ分かれば的確な施術をすれば、痛みはその場でほぼ消えていきます。
ただし、その場で筋肉が造り替えられるなんてことはないので、その後もしっかりと動かしていく必要があります。
施術で動かなくなった筋肉(硬結)を私が強引に動かせるようにするので、その筋肉を固まらせないようにしっかり大きく動かしていただきます。
動かせるようになった部分が動かしやすい筋肉に作り変えられていけば痛む動作が減っていきます。
そして、まだ痛む残りの動きの筋肉をまた施術で動かしてやるのです。
これを続けることで手首の痛みは完治に至ることが出来るのです。
しっかり効かせる施術が出来なければ何回ケアを行っても、硬結は動くようになりません。
これがTFCC損傷(と呼ばれる症状)の厄介なところです。
数か月どころか、数年単位で痛み続けることがあるのが、この症状の特徴です。
現在の医学では固定・安静を勧められますが、それでは治らない人も多いのです。
ただ、固定安静は比較的お金がかからないやり方なので、試してみたらいいと思います。
それでも治らない場合は私にご相談ください。
私のやり方だと固定安静は必要ありません。
ほとんどの方は施術後一週間以内にスポーツに復帰されます。
そして競技を続けながら治していくことになります。