優しさも色々
優しさって色々あるんだなぁって思った話し。
整体師になって一年も経たないくらいの頃、1人の男性が施術を受けにきた。
以前O脚矯正で通ってて、しばらく来れなかったけど、またちゃんと治したいということで来られた。
以前の担当者がいなくなってたので、私が担当することになった。
脚を見たとき、治りにくいO脚ということが分かった。
当然以前の担当者もそのことを伝えているものと思い、
「治りにくいタイプのO脚ですね。
でもケアをすることで、体に負担がかからないように膝や足腰の負担を減らすことができますね。」
と話したら、男性は怒り出した。
「そんなこと聞いたことなかった。
今まで何も聞かされずに通ってたのはなんだったんだ!騙された気分だ!」
と吐き捨てて帰っていった。
O脚にも治せるものと治せないものがある。
少なくとも自分が卒業した学校のテクニックでは、治せるものと治せないものがあるとのことだった。
治る見込みがないものを説明しないまま、整体をし続けた前の担当者は、どんな思いがあったのだろうか。
その時隣のブースにいた他のお客さん(常連さん)はこんなことを言っていた。
「難しい問題やなぁ
治らんもんを説明されずに受け続けるのも辛いけど、治らないとはっきり言われるのも辛いやろなぁ。」
っと。
また別のお客さんにこの話をしたら、こんなことを言ってた人もいた。
「治らないってことを本人が気づくまで付き合ってあげるっていう考え方もあるよ。」
と。
いやいや、それ詐欺みたいなもんやん。
って自分は思った。
頑張ればなんとかなるのなら頑張るけど、頑張ってもどうにもならないなら、あとで気づくより先に気付かせてほしい。
結婚する気のない男が、結婚する気がないことを言わないまま、三十路の女の子と付き合い続けるくらい罪なことやないか!
人の手で治せると思えないものは、治らないよと伝えるのは優しさだと思う。
少なくとも私はそう思う。
その上で自分が考えられる対処法を伝えるしかない。
それを受け取るかどうかはその人が決めること。
なんだけど、自分は優しさで提供したものを、叩き落されるのはやっぱり辛いことだと思う。
図太くなりたい。