やめたくないからここに来てる
高校生の時、私は手首を痛めて、ソフトテニスが出来なくなった。
初めのきっかけは、出窓に腰かけていて、そこからから手をついたまま飛び降りるときに、手首をひねったこと。
それ以来手首が痛くてテニスが出来なくなった。
バックハンドを打つと痛みが強くなる。
打ってる時の痛みは最初の数打が痛くて、そのうち温まってくると痛みが分からなくなる。
でも終わった後に手首を動かすと、痛みが強くなっているのが分かる。
そして、そのままテニスを連日続けているとだんだんテニス中にも激痛がするようになって、ボールが当たる衝撃に耐えられなくなる。
そのくらいになると、日常生活にも支障が出てくる。
最初は安静にしてたら治ると思って、安静にして過ごしてました。
しばらくしたら痛みが治まってきたので、またテニスを再開して、また痛みがひどくなって病院に行くことになるのです。
病院では骨折はしていないから、捻挫みたいなものだと。
安静にしてたら治ると。
安静期間が短かったのかなと、今度は長めに安静にするわけですよね。
でもまたやっぱり同じように痛みを繰り返す。
次の病院では腱鞘炎みたいなものだと。
で、電気だか何かを当てる治療にしばらく通ってみた。
初めのうちは病院の人が当ててくれてたのに、そのうち自分で当てろって放置されるんですよね。
これ患部に当たってないと意味ないんじゃない?
余計なとこに当てたら問題起きないの?
とか思ってたけど、良くなることも悪くなることもなかった。
あれ、ほっとけば治る人が安静にしながら、あの治療に通ったら、おかげさまで治りましたってなるだけなんだろうな。
で、また別の病院とか行って、何もしなかったら痛くないけど、テニスをしたら痛くなるって相談すると、テニスをしなきゃいいって言われる。
「テニスをしたいからここに来てるんだろうが!」
って心の中で思いながらも、言えるわけもなく。
整骨院や保険の効かない整体も行った。
診察券だけどんどん増えた。
当時月のお小遣い3000円なのに、一回6000円する整体で、続けて通ってと言われても、何の効果も感じないのに、通えないと思った。
(親に出してもらうけど、効果が無かったから出口が見えなかった)
治ることを信じて、最長で3か月くらい安静にしたと思う。
その間も部活には行って、ランニングとか手首に負担のかからない筋トレはさぼらず。
みんながテニスをする中、球拾いをし。
初めのうちは、心配してくれた同級生とかも、だんだん
「まだ治らないの?」「さぼってんじゃないの?」
みたいな言葉をかけてくるようになった。
ふざけんなよ!ランニングや筋トレ球拾いをして、球を打つのをさぼるやつがテニス部にいるわけないだろ!
3か月の安静の後のテニス復帰。
痛みなく打てたのは2・3日だった。
同級生の心無い言葉にも耐えたのは、
「治ったらこいつボコボコにしてやる!
いつか見てろよ!」
という復讐心だった。
それなのに3か月待って、3日で潰れる。。。
もう治らないんじゃないか?と思わせるに十分だった。
痛めてから一年とちょっと。
治らない手首を抱えたまま部活を続けることは出来なかった。
部活の顧問にやめたいと話すときは涙が浮かんでた。
今でもこの時のことを思い出すと涙が出る。←年を取ったせいか当時より今の方が泣ける。
病院の先生は、痛いと言えば、スポーツを休めとか、やめればいいとか言う。
でも、やめたく無いからここに来てる。
学生の部活でも、社会人の趣味でも、好きでやってることは、やめても死ぬことはない。
でも、必要もないのにやってることは、やりたいことなんだよ。
やりたいのにやれないのは辛いこと。
諦めなければいけないことも実際にあると思う。
でも、私は私の経験から、この手首のけがは適切な対処をすれば克服できることだと知った。
知ったからには、同じ症状であきらめる人を一人でも減らしたい。