みんなに当てはまるアドバイスなんてない
手首の痛みに限らない話なんだけど。
TFCC損傷とか手首の小指側の痛みの話で言えば、痛めたきっかけがみんなそれぞれ違います。
明確に、「あの時」が分かる人もいれば、
「あの後から」が分かる程度の人もいれば、
「ある日突然」と言う人もいます。
捻挫とかみたいに、あの時がはっきりしていれば、痛めてすぐなら、安静にしなきゃいけないし。
スポーツの終わった後みたいに、あの後が分かるのならば、しばらくは安静にしてみたほうがいいだろうし。
ある日突然で、なおかつ手に負担のかかるような動作もしていないのなら、そもそも安静にする必要があるのかどうかすら、不明。
痛めてすぐなら、安静にと言うのも分かるけど、一か月くらい経っている人に、安静にと言うアドバイスは必要なのだろうか?
ある人には正しいアドバイスも、ある人には正しくない。
ほっといたらスポーツをやろうとしてしまう人に対するアドバイスと、怖いから極力動かさないようにしようとする人に対するアドバイスは別ものになる。
痛む動作も、痛む場所も違えば、やってもいい動きと、やらないほうがいい動きは違う。
TFCC損傷でも、安静・固定と言うのが、絶対みたいになっている。
それは、安静・固定と言うのが一番、リスクのないアドバイスだから。
誰が言っても、何度言っても責任を背負わされることのないアドバイスだから。
責任を取りたくないと思えば、動かすなと言えば終わりなのです。
手首小指側の痛みは、動かすと痛みが出るのだから、動かさないようにと言われて守っていれば、痛みは出ないよねと言う理屈。
手首を完全に固定しての生活は、ほとんどの人は出来ない。
不可能なことをアドバイスしておきながら、良くならないのはアドバイスを守らないからだ。
と責任逃れをするのだ。
きちんと安静を守って、悪化した場合に、安静のせいで悪化したと分かる人がいないから、ノーリスク・ローリターンなアドバイスなのです。
アドバイスは、人によって変わる。
動かしましょうね、というのも、改善具合によって程度が変わる。
何も持たずにゆっくり動かすくらいは、痛めてすぐの人以外には、私はアドバイスしてます。
でも、スポーツをやってもいいか?と言われたら、
「自力で動かす程度では痛みが出なくて、自己ケアが上手くできるなら。
かつ、徐々にやってみてください。」
という条件が付きます。
最終的には、
「痛くなりそうなこと、どんどんやってください。」
と言うアドバイスになるけど、ケアがきちんと出来ていない人には言っていないのです。
痛くなりそうなことどんどんやったら、悪化したと言われても、私が直接言った人以外に言われても、
「知らんがな」
の世界です。
経過を見ながらしか、適切なアドバイスは出来ないのです。