お前を嫁にもらう前に 言っておきたい事がある
このタイトルを聞いてピンときた人は昭和の人ですね。
さだまさしさんの、関白宣言という曲の歌い出しです。
関白宣言というのも、もう時代的にピンとこない人も多いかもしれませんね。
亭主関白と言って、旦那さんが絶対的な存在になって、奥さんに対して支配的な立場を取ることです。
大昔の、頑固な父親像ですね。
関白宣言が出た頃は、だんだんそういう父親絶対の空気が薄れつつあった時代です。
そこで、気の弱い男が結婚するときに、関白宣言をするというネタ的な歌です。
さだまさしさんの曲には、関白失脚という歌もあって、そのセットを知っているととても面白く、趣深いものがあります。
偉そうなことを言っていながらも、本当はとても愛情深い歌なんです。
最終的には、奥さんに感謝して、奥さんのおかげで幸せだったと言うからと。
先に死なないでくれとも言っているようなもの。
いい曲だなぁって私は思いました。
でも、多くの女性は歌詞の前半部分を聞いて、ふざけんなと思って終わってしまうのかもしれませんね。
よくよく聞くと、大事なポイントがいくつかあるんですよね。
「俺より先に寝てはいけない」
「俺より後に起きてもいけない」
「めしは上手く作れ」
「いつもきれいでいろ」
と怒涛の注文が来た後に、
「出来る範囲で構わないから」
と譲歩があるのです。
出来なきゃ出来ないでいいんです。
つまり命令ではなく、お願いベース。口調は偉そうだけど。
他にもいろいろあるけど、全部書くと、歌詞を全部乗せることになりそうなので割愛。
でも一番大事なポイントは、
「幸福(しあわせ)は二人で育てるもので どちらかが苦労して つくろうものではないはず」
という部分だと思います。
この視点があれば、今の時代で言うところのモラハラとかとは全く違うものであることが分かると思います。
男には男の役割があって、得意不得意がある。
だから、奥さんが得意で出来ることはやってもらいたいけど、それ以外は任せてくれ!
という決意なんですよね。
男は女にはなれない、女は男にはなれない。
お互いに得意なことを活かしあって、お互い補いあおう。
みたいなことを照れ隠しで偉そうに言っているだけなんだなぁって。
ちゃんと最後まで歌を聞いてみたら、良さが分かる歌だなぁって思います。
こういう心にしみる歌があるから、個人的には昭和の歌が好きなんですよね。
今の時代は今の時代の良さがあると思うけど、昭和もいいんです。
男は戦うことに向いているけど、女性は戦うことに向いていない。
無理して戦っている女性が増えているけど、頑張りすぎないで欲しいなと思います。