なぜ腰が曲がったままになるのか
志村けんさんのコントなどで、お年寄りを演じるときにはだいたい腰を曲げてましたよね。
お年寄りを演じるとき、腰を曲げることと、ひざを軽く曲げること、杖をつく所作をすることでお年寄りの印象を与えることが出来ます。
逆に言えば、年齢を重ねても、出来るだけそうならないようにしたいものです。
背筋がシャキッと伸びて、スタスタ歩ければ、お年寄りには見えないという事です。
ではなぜ、お年寄りで、腰を曲げてしまう人がいるのか?
それは主に痛みのせいです。
腰を伸ばそうとすると痛みが出る。
そうなれば、自然と腰を丸めるような癖がつきます。
腰を伸ばそうとして痛みが出てしまう理由は何なのか?
例外もあると思いますが、大半は座りっぱなしの時間が長くなるからです。
もしくは前かがみの時間が長いせいです。
農家の方とかが、農作業の為に前かがみになっているイメージが湧きますよね。
あぁいう特定の動作が繰り返されると、腰を伸ばしにくくなってきます。
座りっぱなしの時間が長くなっても、腰を伸ばしにくくなります。
最初は伸ばしにくいだけだったのが、そのうち伸ばすと痛くなるのです。
痛い動きを避けると、腰を伸ばさなくなるわけです。
寝るときも横向きに寝れば、腰を伸ばさなくて済みます。
それに加えて、ヒザも曲がったままを続けていると、伸ばしにくくなります。
ヒザが伸びなくなると、バランスを取るような感じで、腰が曲がります。
腰が先か、膝が先か、いずれにせよ、どちらかが痛みで伸ばせなくなれば、もう片方も伸びなくなります。
痛い動きを避けるというのは、こんな感じで、曲がったままを作り上げていくのです。
「痛い動きはやらないように」とよく言いますが、その言葉を信じると体はどんどんゆがんでいきます。
腰やひざが曲がったままになると、動きにくくなるから、ますます動かなくなる。
寝たきりへのレールが敷かれるのです。
そうならないためには、痛い動きをそのままにしないことが大事です。
今まで普通に出来ていた動作であれば、出来ないものをそのままにしないほうがいいです。
年を取ったせいで、出来なくなるというのはありません。
どちらかというと、やらなくなった動きが段々と出来なくなるだけです。
動かさなくなって月日が経つと、その動きは出来なくなるのです。
手首の関節であろうが、どこの関節であっても同じ。
やらなくなった動きは出来なくなる。
痛みを避けるというのは、動けなくなることを受け入れるという事。
痛くて動かせないものは、痛くなく動かせるようにしなきゃいけないのです。
何にも難しいことは言っていない、シンプル。
言うのは簡単。
行うのは難しい。
だからプロの価値があるのです。