医学を否定しないほうがいいと知ってはいる
以前から同業の友人に諭されることがあります。
医学の言うことを否定とかするから、検索結果から消されたりするのなら、否定しなければいいんじゃない?と。
私もその意見も分かってはいるのです。
否定するから否定されるのであって、ケンカを売らなければ目をつけられることもない。
言っていることは理解はしている。
がしかし、それでは救える人を救えない。
まず、明確に否定しなければ、手術しかないと言われている人には響かないから。
だって、TFCC損傷などと診断されて、保存療法ではどうにもならなくなっている人からしたら、損傷しているんだから整体で治るわけないと思うのです。
明確に手術をしなくていい、とか、損傷しているという考え方が間違いなんだ、ということを書かなかったら、そもそも見向きもしない。
病院で手術が必要と言われた人は病院の指示に従ってください、みたいなことをしていたら、手術しなくていい人を救うことが出来ないのです。
そして、施術で効果が出た人でも、痛みが戻ってきたりすれば、本当に筋肉のケアで治るのか不安になることもあると思うのです。
そんな時に、しっかりと論理的に、損傷は心配しなくていいと伝えるには、医学の世界の常識を否定しないといけないのです。
私の施術は、痛む動きを避けるのではなく、痛む動きをしながら治していくのです。
痛い動きをするというのがとても大事なポイントになるのに、損傷していると思っていたら、動かせなくなるのです。
天動説・地動説みたいなもので、両方を都合よく信じるなんてことは出来ないのです。
安静にしながら治すなんてことは出来ない。
筋肉を動かさずに筋肉を鍛えることが出来ますか?ってことです。
医学界に喧嘩を売って勝てるわけがないのです。
が、黙って従っていたら、助けられる人も助けられないのです。
損傷していることを否定せず、安静にしましょうと言いながら、治るお手伝いは出来ない。
もちろん施術をすることは出来るかもしれないけど、劇的な変化は起こせない。
自分で動かすから、良くなるのです。
医学の世界は、権威権力との戦いだと思うのです。
センメルヴェイスの悲劇
などを見ていても、新しい発見は、その時代の権威がいなくならない限り、方針は変えられないという事です。
それでも権威とされている人以外の、医療関係者が、少しずつ学習して取り入れたりすることで、常識が入れ替わっていくのです。
湿潤療法というものなんか、分かりやすいですよね。
皮膚移植をしているような先生がたは、儲けにならないから反発したけど、整形外科の先生などはどんどん取り入れて、一般的に普及していった。
常識を否定するには、厳しい戦いが待っているけど、戦いなしには常識は覆されない。