肩こり
成人のおおよそ7割の人が悩まされているという、もはや国民病
といった症状の肩こり。
原因は姿勢の悪さなど、色々と言われておりますが、
私の見立てでは「結果的に血流が悪い」というものです。
どんなにいい姿勢をしていても、じっとしていれば痛くなってきます。
姿勢が悪いとより早く、より強く痛みを感じるようになります。
欧米人には肩こりという言葉が無いと言われますが、骨格の違い
というより、私は文化の違いではないかと思います。
日本人と同じような背丈・骨格の国でも肩こりという言葉は
一般的には無いようです。
日本人は協調性や気遣いが文化としてあります。とくに女性は
男性以上に「言わなくても分かるでしょ?」という暗黙の
了解があるようです。
物事を気にすることが多ければ多いほど肩は凝りやすくなります。
真面目な人、几帳面な人、気にしやすい人、人一倍頑張る人
などに肩こりが酷くなる傾向があります。
それら性格的なものだったり、そうならざるを得ない環境的
なものではあるのですが、それらによって自律神経の交感神経
が働くため、脳へ血液は集まって、全身の筋肉への血液は
減少します。
デスクワークなどで、身体を動かすことが減ったところに、
上記のような自律神経の働きで血流が悪くなると、
首肩の血流は慢性的に悪くなります。
筋肉にとって血液は、人間で例えればお金とか食事のようなものです。
長時間同じ姿勢をする場合でも筋肉は働き続けています。
気絶した人は座っていられません、ぐたっと倒れます。
座る姿勢を維持するために筋肉は働いているのに、血液が届きません。
働いても働いても、お金も食事ももらえない人がいたとしたらどうなるか?
まず怒ります。「文句を言って注目を集めます」
筋肉からの痛み(こり)がこの状態です。
それでも食事、お金が入ってこなかったらどうなるか?
人だったら死にます。筋肉だったら硬結が出来たり損傷したりします。
筋肉の硬結は関連痛を飛ばすので、痛みやしびれの感覚が
様々な場所に出るようになります。
動かすと痛い状態でもあります。
肩こりは整体に行けば治るというものではありません。
一時的に楽になります。
でもまた固まる習慣があれば、また痛くなります。
だから、肩こりになりにくいように習慣の見直しが必要になるのです。
緊張する癖をやめられるなら、やめられればいいし、
やめられないなら、固まった筋肉を緩める習慣を付ければいいのです。
自分の努力では間に合わない場合は整体でメンテナンスすればいいのです。
大事なことは肩こりを無かったことにするのではなくて、
肩こりを一つのサインとして、身体と付き合っていくのです。
肩こりは身体からの悲鳴です。
無理して頑張ったり、薬で黙らせることを続けると、
無理がたたって体が壊れていくのです。
そうならない為に身体との付き合い方を考えていきましょう。