やさしさの異常
やさしさの精神病理という書籍を昔読んだことがあります。
随分昔過ぎて内容はあまり思い出せませんが。
ただその当時(10年位前?)から世の中の優しさというものに違和感を感じていた。
やさしい人が好きなんて言う言葉に惑わされたり。
自分の都合を優先して人に何かを伝えるのは迷惑かもとか。
迷惑をかけないのが優しさだったり。
声をかけないのが優しさだったり。
書籍に書かれていてインパクトがあったのが、お年寄りに席を譲らない優しさ。
つまりお年寄りとこちらが思っていても、本人は年寄り扱いされたくないかもしれない。
だから言われたら席を譲るけれど、こちらからはアクションを起こさない。
私はそういう時そのまま席を立って離れてしまうけれど、その気持ちも分からなくはない。
その理屈はいろいろな場面で起こってくると思います。
①好きな人がいるけど、相手が自分をどう思っているか分からない。
一方的に好きなだけなのに、告白をしたら、今までの関係も壊れるし、相手に気を使わせるし。
だから相手の気持ちが分かるまで告白しない。
②間違った言葉づかいをしているのだけど、それを訂正したりしたら嫌われるかもしれない。
自分が教えなくても、そのうち気付くときがくるかもしれない。
だからそのまま聞き流しておこう。
③友達が愚痴を一生懸命吐き出している。
かなり偏った考え方をして被害者意識にさいなまれているけど、ここで忠告したりしたら不機嫌になるかもしれない。
その考え方をしている限り幸せにはなれなさそうだけど、関係がこじれるくらいなら黙っていよう。
やさしさ。
なのか、
嫌われたくない。
のか。
おそらく両方というのが大方の意見だろう。
昔はみんなもっと自分の意見を言っていたんじゃないかと思う。
だからみんなが自分の意見を言うから、私も言う。
そして、いろいろな意見があるから、自分でそれを選ぶ権利もある。
という感じだったんじゃないかと思う。
受け手に気遣いをしすぎて、発言できない世の中になってきている。
実際に、被害者意識を持った人に手を焼くような話は耳にする。
厳しいことを言われても、その言葉に含まれる優しさも一緒に受け取れたらいいのに、
「否定された」「分かってくれない」
そんな風に感情的になって、言葉をはじいてしまう。
最近心屋さんというカウンセラーの方のブログをよく読んでいます。
その中でも時々アドバイスを悪いように受け取っていたり、私は違います、なんて書いていたり。
客観的に見たら、「あ~、この人攻撃されたように思っているんだな。この人も分かるときが来たら分かるのかな。」
と感じたりします。
私の場合はいわゆる、身体の痛みの説明で、「あ~受け取れないんだな。」と思うことがあります。
身体の痛みが、ライフスタイルの結果であること。
身体を酷使して痛めたというものではない場合、痛みの原因は生活環境にあること。
生活環境をかみくだくと、性格(考え方の癖)と環境。
そう話しても、
私は身体が悪いのであって、生き方には問題ない。
とかたくなに、自分を守ろうとするのです。
そう思っているうちは何も変わらないのになぁと。
自分一人で変わっていくのは大変だから、身体をケアしながら変わっていきましょうねという提案なんですが。。。
それか、性格は変わらないと決めているのかもしれません。
変えられないものなら私はわざわざ言わないのですが、本人が決めていれば変わらないのでしょう。
そもそも身体が辛くなるような性格って、悪い性格じゃないですからね。
あなたは何も変わらなくていい、そのままでいいんだよ、身体のケアをしたらちゃんと治るんだよ。
そんな風に言ってくれるのを期待しているのかなぁと思います。
身体の何かが悪くなっているから、それを治せば治ると。
身体のケアだけでどうにかなるものもあるからそういうものは、さくっと治してしまえばいい。
でもそうじゃないものがある。
そうじゃないものを、身体のケアだけで何とかなると思わせることはフェアではないと思う。
違和感があるんです。
そういうものが世の中にはあふれています。
あふれているということは、それで需要と供給が成り立っているのです。
あってもいいと思いますが、私は違和感があって好きじゃない。
でもそういうことを説明しても受け付けられない人も沢山いる。
どんなに優しく伝えても受け入れる体制が整っていない人には響かない。
そして私は嫌われる。
2 件のコメント
確かに!心と身体はリンクしてますよね。
自分もかたくなに頑張りすぎてしまう癖があり、過去、入院に至りました。
このブログを拝見し、ちょっと視点を変えて行こうかなと思いました。
病気って、考え方を変えなさいよ〜!のアラートなのかなと。
自分は、ハッキリ言ってくれる先生のほうが、頼り甲斐があって、安心できますよ!
しゅうさん、コメントありがとうございます。
頑張った結果入院までされたのですね。
身体からの強制終了が掛かったんですね。
無理してるって自覚がないから大変なんですよね。
ハッキリ言うというより、バカ正直なだけですが、そういっていただけると救われます!