固定をするということ
連日近いところから遠いとこまで、いろいろな場所からお越しいただき、ありがたいことです。
手首を痛めると病院で言われることは、まず安静なんですよね。
で、私も基本的には同意見なのです。
使いすぎを少し制限してやると、自然に治る人もいるので、そうしたらいいと思うのです。
しかし、少し制限するのがお勧めなだけで、完全に固定することには反対です。
手首に限らず体の関節は完全に固定すると、固着します。
筋肉の萎縮・癒着、関節の癒着、長期にわたって固定すれば拘縮も起こります。
動かさなかったら動かなくなるのは当たり前で、動かさない期間が長くなると可動域も戻らなくなります。
この辺りはPTさんなどが専門なので、私もどのくらいからとかの説明はうまくできません。
しかし、固定すれば固まることは常識だと思うのです。
固定を言い渡された患者さんは、まじめに固定を守った場合、手首は固まってしまいます。
動かそうとすると痛みが出るわけですね。
元よりも少ない動きで痛みが出るのです。
固定させたのならば、その固定したことによる癒着など、リハビリをしてくれるものだと思っていました。
しかし、話を聞いていると、自分で動かしてねと、放置されている人が沢山いるのです。
動かさなければ固まるということも説明せずに、そして、自分で動かしてねと。
どこまでやって大丈夫で、どこから先ダメなのか、患者さんは分からないですよね。
それらのアドバイスもせずに、痛みが取れないなら手術をするしかないと説明するのはあまりにもひどい話だと思ってしまうのです。
痛みがあって可動域の制限が出ているだけなら、私のケアでどうにかなりますが、癒着など出てくると、私もどこまで良くなるのか読めなくなります。
固定なんてしなければ、もっとスムーズに治るはずなのにと思うのです。
きっちり固定をしないと治らないと指導するのなら、固定後の増えた痛みにもきちんと責任を持って向き合ってもらいたいなと思うのです。
きっちり固定をしてあっちもこっちも手首の痛みが出てしまっている人を何人も見てきました。
もともとは小指側の痛みだけだったのに、他の部分にまで痛みが広がっているのです。
固定を指示して、その後の対応をおろそかにされている話を聞くと、やりきれない怒りを感じるのです。
私はきっちり固定はお勧めしません。
痛む動きを制限して、痛みが治まっていくくらいの安静でいいと思うのです。
それで、痛みが再発して繰り返すならば、筋肉を適切にケアをしたらいいのです。