医療経済の嘘
タイトル的には医療批判本のように見えるかもしれませんが、医療の批判というよりも、医療のあり方に疑問を呈している。
そして、医師の立場から、問題点と改善していく道筋を示してくれるような本です。
ただし、答えがあるわけではありません。
ザックリいってしまうと、
患者さんも医療者に任していれば大丈夫!と思考停止してしまうんじゃなくて、本当に必要な医療とは何か、当事者意識を持って考えてみることが必要なのではないかと言うことです。
昔の医療は、感染症など死につながる病気を治す救世主のようだった。
でも今ではそのような病気はほとんど克服してしまって、ガンや心疾患・脳卒中など、加齢に伴い増えていくものに変わったそうです。
つまり完治するというより、長い目で見て付き合っていく症状に変わった。
慢性疾患の患者さんが増えて、医療機関も薄利多売を続けなければならない状態になってしまっていると。
普通の商売であれば、良いものは評価され、悪いものは淘汰されるのですが、医療の世界はそういう市場原理が通用しなくなっているようです。
病院が沢山あれば健康な人が増えるということにはなっていなくて、単純に病院が増えると病人が増えるという現実のようです。
病院は規模が大きければ、それだけ沢山の患者さんを診なければ成り立ちませんからね。
今の現状は、国民一人ひとりが一丸となって問題解決に向き合わなければ変えられなくなっているというのです。
志の高い医師が一人で、
「この病院はおかしい!」
と言ったところで働き場所を失うだけだったりするわけです。
そして、他の医師のことを悪くいうようなことは慎みなさいと教育されたりもするようです。
整体の世界は医療とは違うのですが、健康に携わってる点で同じ問題をはらんでいると思います。
治る症状と長く付き合っていく症状があり、整体が増えれば増えただけ患者さんも増えていくと。
整体が悪なのではなく、整体の先生に言われるがまま盲信してしまうことが問題なのです。
医療の現実を知って、意識が変わっていくと、もっとみんなが健康で自分らしい生き方が出来るようになるのではないかと思います。