プラシーボプラクター
先日カイロプラクティックの学生時代の同期のお店に行って、少しだけ施術をしあいっこしました。
ド素人から始まった学生生活を共にしたので、昔のことを懐かしく思い出すんですよね。
実技の授業の時、みんな素人なので下手くそなのですが、下手なりにうまい人と、下手に輪をかけて下手な人がいるのです。
実技練習はいろんな人とやりなさいと言われるのですが、下手な人とやるときには緊張が走るものです。
カイロプラクティックは、アメリカ発祥の背骨の矯正をする手技療法で、海外ではドクターとして活躍している地域もあります。
カイロプラクターというのはその、カイロプラクティックをする人のことです。
(日本では国家資格にさせてもらえなかった)
今日のタイトルにある、プラシーボプラクターは同期の仲間と一緒に話しながら作られた造語です。
プラシーボというのは、偽物の薬のことです。
偽物の薬なのに、効くと信じて飲めば、良い効果が出てしまうことがあるのです。
良い効果が出るけど、本当は薬効がない、思い込みの薬というのがプラシーボです。
カイロプラクティックには、関節をポキポキと鳴らす、テクニックがあります。
今の私はそのようなテクニックを使うことはないのですが、これは結構センスと訓練が必要です。
学生は下手くそなので、下手くそ同士が練習しないといけないので、非常に怖いですよね。
で、この関節を動かすテクニックですが、必ず音が鳴るとは限らないのです。
関節を動かすのが目的なので、動けばOKなのです。
素早く動かせば、「ポキッ」と音が鳴るのですが、遅いと鳴らないのです。
荷物の梱包で使うプチプチを強く押しつぶしたら「プチっ!」と鳴るけど、力が足りずにひねるように押しつぶすと、「…」みたいに、スーッと空気が抜けたりしますよね。
そんな感じで、動けばオッケーなんだけど、鳴らないと動いた感じがしないのです。
下手くそ同士の練習では鳴ることも少ないので、鳴らなかったときに、
「良しっ!」
と言って、いかにも操作がうまくいったフリをしていたのです。
動いたか動いていないかも分からないくせに(笑)
「良しっ!」
って言うことによって、関節操作はうまくいったという空気を出すカイロプラクターに対して、プラシーボプラクターと名付けてネタにしていたのです。
カイロプラクティックの仕事は現場に出ても、プラシーボと実際の効果を分けて考えることは難しいのです。
本当はカイロプラクティックに限らず、治療的なことを行う人はプラシーボ効果も混じっていると思うのです。
患者さんからしたら、良くなれば、それが技術によるところなのか、思い込みによることなのかどちらでもいいと言えばどちらでもいいとは思います。
でも、技術を提供する側は、プラシーボなのか、技術によるものなのか、ちゃんと把握しながら提供できるようにしたいですね。