その痛み、わかります
嘘つくなよ、絶対わかるわけねーだろ!
って思います(笑)
整体のようなお店で、
「その痛み、わかります」
みたいに書いているところ、結構たくさんあるんですよね。
あちこちで見かけます。
安易な共感してんじゃねーよ。
って私は思ってしまう。
はっきり言うけど、他人の痛みが分かることはない。
たとえ、インフルエンザに感染した時の辛さを話しても、人によっては、きつかったという人もいれば、大したことなかったよと言う人もいます。
ぎっくり腰だって、本当に救急車を呼んでしまう人もいれば、ぎっくり腰になった当日にスポーツをしてしまう人もいる。
それは同じ病名でも、その時々で程度が違うからです。
同じ人間でも、軽めのぎっくり腰になることもあれば、かなりきついのもあるのです。
そのきつかった痛みを比べようと思っても、他人と比べるというのは出来ないのです。
それに痛みは、大変だと思っていると、痛みを強く感じるし、大したことないと思っていれば、大したことないと思えるくらいになることもある。
痛みが分からないのは整体に限った話ではない。
医師だって痛みのことは分からない。
その痛み、わかるよと言った時点で気休めの共感か、詐欺。
私も手首の小指側の痛みの経験がある。
本当にひどい時は、字を書くのも痛く、左手でノートを取ったりしていた。
かなり痛かった記憶はあるけど、目の前のお客さんの痛みと比べてどうかなんて、わかりようがない。
こんな痛みかな?って想像しながら対応する、一つの参考資料にはなるけど、それだけで、その痛み分かりますよ!と言う気にはならない。
「君の心がわかる、と
たやすく誓える男に
なぜ女はついていくのだろう
そして、泣くのだろう」
空と君とのあいだに By中島みゆき
の歌詞の一節だ。
分かってくれなくても、わかるよと言ってくれるだけでいい
そんな気持ちなのかもしれない。
嘘でもいいから、優しい言葉をかけてもらいたい
そんな気持ちなのかもしれない。
それでも僕は言いたくない。