ほっといたら治る人は来ないでください
ほっといたら治る人は来ないでください。
このセリフはあまり整体院で言う人はいないですよね。
あと、この言葉の響きがプラスに受け取られるのか、マイナスに受け取られるのか、私には分かりません。
私としては、良い言葉だと思うのです。
だって、整体院ってお金かかるじゃないですか。
放っておいても良くなるのに、施術を受けに来たらもったいないですよね。
まぁどのくらい時間がかかるかによっても違うでしょうけど。
私としては、ほっといたら治るものはほっとこうと思う方です。
組織が治るのには時間がかかるでしょうから、待つしかないなら待っていようと思います。
でも、人によっては、「来ないでください」という言葉をネガティブに受け取ってしまう人もいるのかもしれないと思うのです。
来なくていいではなく、来ないでくださいという場合、拒否されている感じですよね。
私としては、無駄なお金を払わなくていいようにという気遣いの1つなのですが。
整体という仕事はある種の癒し業です。
肩こりや腰痛に対する整体というのは、相談に乗って安心してもらうとか、話を聞いて緊張をほどいてあげるようなことが、主な仕事になります。
もちろん施術も大事なのですが、力を抜いてもらうためには、身体だけではなく、心を緩めることもとても大切なことなのです。
しかし、私の得意としている痛み取りは、それとは別の原理の痛みなのです。
肩こりは何もしなくても痛かったり重かったりするし、動かすと楽になったりする。
腰痛は、急性腰痛はほっといたら痛みは大体軽減していくし、なるときはならないけど、ならないときは普通に動ける。
慢性腰痛は、ちょっと肩こりに似ていて、ずっと鈍痛があったりするし、動かすと楽になったりする。
慢性腰痛と、肩こりはほっといても良くならないから、施術対象か?と思われるかもしれないけど、特定の動作で痛いという類ではなく、何もしなくても痛いから別物なんです。
私が得意なのは、治りにくい怪我。
もしくはもう治らないと諦めたケガの後遺症のようなもの。
動かさなかったら大したことないけど、動かしていると痛みが出る。
それでもかまわず使っていると、どんどん痛みが増していって日常生活も送れなくなる。
それで、手術をしてでも治そうか?と思う人がいるのです。
どちらかと言えば、私の施術は、手術をしようかと迷っている人に受けて欲しいくらい。
だから、ライバルはその辺の整体ではなく、手外科の手術と比較して欲しいもの。
自己ケアのレクチャーも入れた施術料金は、4万円と決して安くないけれど、手術をすることに比べたら全然マシなのです。
手術はまな板の鯉。
一度やったら、元には戻せない。
それに比べたらこちらの施術は、リスクはほとんどなし。
施術を受けて効果が出なければ、自己ケアのレクチャーもしようがないので、レクチャー料はもらいません。
1万円の施術代は掛かるけど、その後の通院をお勧めすることもないし、後遺症はありえない。
痛みが変化するやり方そのものを教わるわけだから、ケアが出来るようになれば、痛みを怖がらなくて良くなるのだから、痛みを軽減できる永久保証みたいなもの。
手術をするのは最終手段でいいように、私の施術もほっといて治るような人は来なくていいのです。
だから、痛めてすぐだともう少し様子見をお勧めすることもあるのです。
医療の世界が、早期発見早期治療の宣伝をめちゃくちゃしてますよね。
これって、いい事ばかりじゃないんです。
やらなくていい治療を受ける可能性も大いにある。
癌の早期発見早期治療とかも、癌でなくなる人が減っているなら効果ありになるのですが、実際には減っていないどころか、増えているのです。
癌のように見えるものを早期に発見して、治療を開始するから、癌患者が増えるのです。
そして、ほっといたら消えたような良性な腫瘍にも治療を施す可能性もあり、それによって亡くなる人が増えていたりもするのです。
痛くもない腹を調べることの弊害は、医療の世界は言わないのです。
私はこの構造が嫌いですね。
だから、私は整体の分野で、受けなくていい施術は受けないほうがいいというのです。
自分の仕事に誇りを持っているというのもあります。
効果の出ない人に施術をすると、価値が分からないので喜ばれません。
だから、価値の分かる人にだけ来てもらったらいいと思うのです。