痛めた、と痛くなった、は違うもの
痛くなったというのと、痛めたというのは違うのはなんとなく分かるのではないでしょうか?
①転んでぶつけて痛いのはどちらでしょうか?
②学校に行きたくない子供が、お腹を痛いという場合はどちらでしょうか?
痛めたというのは、傷めたなのです。
外からの外力によって、身体に損傷が起きた場合、痛めた(傷めた)と言います。
それに対して、痛くなったという場合は特別理由が無い場合に、(なぜか分からないけど)痛くなったとなるのです。
①は痛めた、②は痛くなったですね。
私が施術で力になれるのは、①の方です。
スポーツ中などで、夢中で動作をしているうちに痛めた場合②にのような表現をすることがあるので、必ず分けられる訳ではないのですが、基本的に痛めた場合は、あの時というのがあるのです。
②のような痛みは、どこかが壊れているのではなく、痛みを感じているだけなのです。
胃酸が分泌されて穴が開いている場合でも、外力で壊れたのではなく、中から壊れているのです。
②の痛みは機能的な問題なのです。
交通事故で事故の直後はどこも痛くなかったのに、あとから痛みが出たという場合どちらでしょうか?
この場合、あとからの時間が問題なのです。
当日か翌日であれば、痛めた可能性が高い。
翌々日以降であれば痛くなった可能性が高い。
組織が壊れているのに、痛みを感じないということが考えにくいのです。
興奮していると痛みを感じにくくなるので、事故直後は分からないこともあるでしょう。
しかし、一晩寝て起きたら、リラックスできるのですから、痛めたのであれば翌日の朝には痛みがあるはずです。
ボクシングの試合中はあまり痛みを感じないけど、試合後腫れていたくなるなどは、興奮で痛みを感じていなかったという事。
ボクシングの痛みが翌々日から出るというのはあまり考えられない。
ここで色々考えているときに、少し浮かんできた逆説。
筋肉痛は遅れて出ることがある。
筋肉痛は直後から出る場合もあれば、2,3日経ってから出ることもある。
そう考えたら、痛めた痛みが2,3日経ってから出ることもあるかもしれない。
しかし、今私がここで話をするのは、私が施術で力になれる痛みとそうでないものの話。
もう少し違う表現をすれば、そのうち治るものであれば、分けて考える必要が無い。
しばらくすれば治まったとなれば、どっちだったとしてもいいのです。
治らないってなった時に、どう対処するかということなので、遅れてくる筋肉痛程度の痛みであれば、放っておいたらいいのです。
放っておいても良くならない場合にどうするかなので。
判断が難しいという場合、他の条件などで判断するんですよね。
痛い動作に再現性があるかどうかとか、止めても痛みが継続するかとか。
負荷を掛けてみたらどうか、より可動域を大きくするとどうかとか。
とにかく痛みってひと言で言っても、様々な種類があるのです。
私の手首の痛みは治すまでに10年以上の歳月がかかりました。
痛めたもので、何度でも繰り返す痛みであれば、施術を受けないと損なのです。
ケアの極意