成長痛(~12歳頃まで)
成長痛というのは、成長期の子供が身体の痛みを訴える場合によく言われる言葉ですが、大まかには2つのパターンがあります。
以前は骨の成長により、「靭帯や筋肉が引っ張られて痛みが出る」、などと言われていたこともありますが、現実にはそのような理由ではありません。
成長痛と呼ばれるものの一つは、3才くらいから小学校低学年くらいまでに発生することが多く、夕方から夜にかけてや、寝る前くらいになると痛がり、30分から1時間ほどで治まり、翌朝になるとケロッとしてる。痛む場所が日によって変わったりすることなどが特徴です。
痛みの場所は、ひざ周りやふくらはぎ、足首、太もも、足の付け根、腰などです。
日中などは、「痛かったらそんな動き出来ないでしょう?」と言いたくなるような、大人では考えられないような動きをしていたりもするのです。
以前は骨の成長のせいと考えられていましたが、今では精神的な不安感などが原因だと考えられています。
例えば、下の子が出来て、自分にかまってもらえることが減ったとか、母親が働きだしたとか、家庭環境の変化があった。
とか、他にも母親が子育てに神経質になってしまっている場合などにも起こりやすいようです。
基本的にはこういった症状は、甘えたい、関心を寄せてもらいたい、自己主張したい、その他心の葛藤などが痛みを引き起こしているので(仮病ではなく本当に痛みを感じている)、優しくさすってあげたり、湿布を張ってあげたり、抱っこしたりハグをしたり、話を聞いてあげたりして愛情を注いで安心させてあげることで、症状は治まります。
精神的な成長により症状は治まってくるし、身体の異常というわけではないので、特別な心配はいらないものです。
しかしあまりにも続くようなら、環境や関わり方などの改善が必要な場合もあります。
そして成長痛だと思っていたら、実は病気などが隠れていることもあります。
普段から足を引きずっていたり、同じ場所に常に痛みを訴えたりする場合などは、感染症や腫瘍など別の病気である可能性もあります。
病気でなければ心配はいりませんので、一度病院に相談して、病気ではないと太鼓判を押してもらって、親が安心することも大切かもしれません。
病院にかかられる場合は整形外科にかかられるといいと思います。
また、スポーツをされているお子さんの場合、また別な意味合いの成長痛の場合もありますので、成長痛(10代のスポーツ障害)もご覧ください。