成長痛(10代のスポーツ障害)
成長痛と呼ばれるものの中には、スポーツなどで筋肉を酷使することで発生する痛みもあります。
これも、成長痛とひとくくりにして呼ばれることがありますが、骨が成長する速度に筋肉や靭帯がついていかずに痛むというものではありません。
10代の子供はまだ骨が成長する為、骨に軟骨部分が多く存在し、激しい運動などによって強い衝撃を受け続けることで、筋肉が付着する部分の骨が剥離しかけて痛みが出ることがあります。
有名なのはオスグッド・シュラッター病という膝のお皿の下にある脛骨粗面の痛みです。レントゲンで撮ると骨が剥離しかけているのが分かることがあります。
同じようなメカニズムで、かかとが痛くなる場合には踵骨骨端症という診断がつきます。
競技の種類によっては他の部分が同じようなメカニズムで痛みが出ることは十分に考えられます。
これらの症状の対処方法は一般的には安静と言われています。
しかし、競技を上手くなりたくて頑張っている本人には安静は辛いものです。なるべく早く復帰したいというのが本音でしょう。
成長期にある痛みではあるのですが、筋肉の強烈な収縮によって剥離しかけるのが原因ですので、筋肉を緩めることが大事です。
筋肉が縮んで固まると常に骨が引っ張られる状態になるのです。
例えば膝の痛みであれば、太ももの前の筋肉の収縮が原因ですので、太ももの前のストレッチが大切です。
正座をしたような状態から後ろに倒れるようなストレッチですが、膝に痛みが出るような状態では、そのストレッチも満足に出来ないと思います。
身体が温まった状態でストレッチをやることが大切です。冷えてる時にやっても痛いだけですし、いい効果は得られません。
屈伸をするなりして、軽く血液を流してやってから、出来る範囲でストレッチをしたり、痛すぎないマッサージをするのも良いと思います。
痛みの原因の場所を特定して、関連する筋肉を緩めてやることが改善への近道です。
かかとの場合ならふくらはぎ、肘の場合は色々で前腕の外側だったり内側だったり、上腕の筋肉だったり競技により異なります。
適度に安静にしていれば痛みは治まってくるのですが、ストレッチを避けていたのでは、また痛みを繰り返すことになります。
苦手なストレッチがやはり痛みの原因になることが多いのです。
身体の使い方の癖が原因で痛みが出やすい場合もあるので、フォームの確認や癖を修正することも必要かもしれません。
きちんと痛みについて理解のある施術者に施術をお願いしながら、自分で出来るストレッチやマッサージなどを行えば、早く競技に復帰することも可能だと思います。
いずれにせよ自己流のケアでは、実はうまくポイントをとらえることが出来ないこともあるので、信頼の出来るプロに相談できるといいですね。