患者さんの期待値
患者さんの期待値と私が目標とする期待値は異なることがあるんですね。
先日来られた患者さんは3回目の施術でした。
私からすると3回目ともなれば、日常の動作はほとんど痛くない状態にしたい頃です。
なので、まだ痛むというのを聞くと、
「あぁ、もっとちゃんと痛みが取れないと、いつまでかかるんだという不安を与えてしまうかもしれない」
と焦ってしまうんです。
でもその方は、
「施術を受ける前は手首が痛くて仕事がままならなかった。
それが今は仕事は安心して続けられている。
痛みは出るけれどあまり心配せずに手首を使えるようになったから、それだけでもとても有難い。」
とおっしゃっていただいたのです。
確かに普通のTFCC損傷で困ってる方は、病院に行っても痛み止めをもらうだけで、あとは安静を言い渡されるだけ。
安静にできないならor安静にしても痛むのなら、注射を試すか、もう手術しかないよと。
仕事を続けながら治す選択肢なんてないんですよね。
だから自己ケアをしながら痛みが酷くならず、仕事を続けられるだけでも驚くほどの効果なんですよね。
私は2・3回で良くなる人もみているから勝手に焦っちゃう。
自己ケアの頻度も人それぞれだから、あまり焦りすぎてもしょうがないですよね。
私が焦れば逆に患者さんに求めるものもレベルが高くなるし。
ということで、私にとっては当たり前な、
「仕事や趣味を続けながら治していける」
ということが、TFCC損傷とか、尺骨突き上げ症候群とか、キーンベックとか、尺側手根伸筋腱炎とか、治りにくい怪我として診断された人からしたらありえないことなんですよね。
十分な効果を出しながらも、上を目指すことは結構なことだけど、それで苦しくなったり、
患者さんに、
「もっとちゃんと効かせてください!」
と求めては本末転倒ですね。
完璧主義的なとこなんでしょうね、この辺は。
自分が苦しんで、患者さんも苦しめることがないよう気をつけます。